Claude Codeで育てた広報マンを、Codexでもそのまま働かせています。会社の書き方、記事を作る手順、過去に受けた修正まで引き継ぐので、Codexを開くたびに会社説明から始める必要はありません。
たとえばCodexへ、こう頼みます。
「広報マンとして、このブログを読みやすく直して」この一文だけで仕事を始められるのは、Codexが広報マンの役割定義、記事制作のスキル、過去の修正記録を先に読むよう設定しているからです。今回の記事でも、「正しいけれど難しくてつまらない」「タイトルを勝手に言い換えない」「社員数は70名程度と書く」といった直近の指摘を拾いました。
同じ担当をClaude Codeから呼んだときも、読む資料は共通です。一方で覚えた内容を、もう一方へ説明し直す回数が減ります。
引き継ぐのは、役割・スキル・記憶の3つ
専門のサブエージェントとして仕事を依頼
- 役割
- スキル
- 共有記憶
同じ担当名で呼び、同じ仕事を依頼
役割:何を任せる社員か
役割定義には、担当する仕事、参照する資料、完成と判断する条件を書きます。広報マンなら、題材の相談、一次情報の確認、記事制作、媒体への展開、公開後の記録までが担当です。
スキル:仕事をどう進めるか
繰り返す手順はスキルにします。記事なら、題材を決める、根拠を調べる、構成を作る、本文を書く、リンクと日付を確認する、という順番です。Claude CodeとCodexは、どちらもSKILL.mdを中心にした再利用可能な手順を扱えます。
記憶:前に何を直されたか
役割と手順だけでは、その会社らしさは育ちません。過去の判断、失敗、表現の好み、顧客や案件の前提を共有記憶へ残します。サンレイラではObsidianを共通の保管場所にして、Claude CodeとCodexの両方から読み書きしています。
Codexから同じ社員を呼ぶ設定
Codexには、作業前に読む場所をAGENTS.mdで伝えます。社員の全文を二重に書く必要はありません。担当名と、役割・スキル・記憶の保存先を対応させます。
広報マンと指定されたら、次の順で読む
1. 広報マンの役割定義
2. 今回の仕事に合うSKILL.md
3. Obsidianにある広報マンの修正記録
作業後は、今回の判断と修正を共有記憶へ追記するClaude Code側には、公式のカスタムサブエージェント機能があります。Markdownファイルに担当名や説明、使える道具、読み込むスキルを設定できます。Codex側はAGENTS.mdを仕事の地図にし、必要な役割定義とスキルへ進みます。
製品ごとの設定方法は違っても、社員の仕事内容は一つです。仕事内容を直したら、次にClaude CodeまたはCodexから呼んだときに新しい定義が使われます。
自社で始めるなら、まず1人
- 何度も頼んでいる担当を1人選ぶ
記事制作、議事録、経理確認など、説明を繰り返している仕事が向いています。 - 担当範囲と完成条件を書く
何を読み、何を作り、最後に何を確認するかを決めます。 - 繰り返す手順をSKILL.mdへまとめる
入力、作業順、成果物、確認項目を残します。 - 過去の修正を共有記憶へ入れる
同じ注意を何度も受ける状態を減らします。 - Claude CodeとCodexへ同じ仕事を頼む
役割、手順、過去の修正がそろうかを実際の成果物で確かめます。
サンレイラには、制作、経理、開発、経営企画、総務、事務、顧問、人事、営業などを担う70名程度のAI社員がいます。全員を一度に整備したわけではありません。必要になった担当から役割を決め、仕事を繰り返す中でスキルと記憶を足してきました。
dotsとの違い
OpenAIのdotsは、自分のクラウドコンピューターを持ち、接続したアプリを使って継続的に動けるエージェントです。今回紹介した仕組みは、どの仕事場から呼ばれても同じ担当として動けるよう、会社側に仕事内容を残す方法です。
両方は組み合わせられます。dotに会社の役割、スキル、共有記憶を読ませれば、継続して動ける仕事場に、育ててきた社員を配置できます。
AIを替えても、社員を育て直さない
新しいAIが登場するたび、会社説明、仕事の手順、過去の失敗を最初から教える運用は長く続きません。会社が役割・スキル・記憶を持っていれば、実行するAIを替えても、積み上げた仕事の知識は残ります。
まずは、いちばん説明回数の多い担当を1人選んでください。その担当が何を読み、どう進め、何を覚えているべきかを書き出す。Claude CodeとCodexの両方から同じ担当を呼べたら、AI社員の引き継ぎは始まっています。
- Anthropic「Create custom subagents」
- Anthropic「Extend Claude with skills」
- OpenAI「Introducing the Codex app」
- OpenAI「Harness engineering」
- OpenAI「Introducing dots」
公式情報の確認日:2026年10月19日
