LINE公式アカウントにAIによる自動応答を組み込む場合、対象になり得る制度はありますが、対象になるかどうかは導入する仕組みの中身次第です。「LINE公式アカウントの応答をAIで自動化したいが、補助金や助成金は使えるのか」という相談を受けることがあります。結論からいうと、「LINE AI補助金」のような単独の制度は存在しませんが、AI導入・省力化の文脈で使える可能性がある制度はあります。この記事では、今使える制度の範囲と、自社のLINE公式アカウント運用で実際にAIを取り入れた実話を整理します。
Q1. LINE公式アカウントのAI応対とは、何を指すか
この記事では「LINE公式アカウントのAI応対」を、次のような取り組みを指す言葉として使います。
- よくある問い合わせに、AIが下書きした応答メッセージで案内する
- リッチメニュー・応答メッセージの文面を、AIを使って作成・見直しする
- 外部のチャットボット機能と連携し、会話形式での自動応対を組み込む
単に「LINE公式アカウントを開設する」ことと、「AIを使って応対の中身を作り込む・自動化する」ことは、制度上の扱いが変わってくる場合があります。次の章で整理します。
Q2. 使える可能性がある制度は何か
対象になり得るかどうかは、汎用のLINE公式アカウント機能をそのまま使うか、自社の業務に合わせて外部システムと連携させたオーダーメイドの仕組みを構築するかによって変わります。基本的な考え方はAI活用サービス全般と共通で、対象条件の詳しい整理は、次の2本の既存記事で解説している内容の範囲に準じます。
- デジタル化・AI導入補助金2026とは?申請枠・補助率・締切【旧IT導入補助金】:ITツールの導入費用を対象とする制度です。LINE公式アカウントと連携するチャットボットツールを、登録されたITツールとして導入する場合に検討の対象になり得ます
- 中小企業省力化投資補助金とは?一般型の上限・補助率・締切【2026】:自社の業務に合わせて外部発注で構築するAIシステムを対象とする制度です。LINE応対の仕組みを、単体の汎用ツール導入ではなく、自社向けに設計・構築する場合に検討の対象になり得ます
いずれの制度も、対象になるかどうかは案件ごとの個別要件によって変わります。金額・締切などの詳細は、上記の各記事、または公式サイト・事務局で最新情報をご確認ください。
Q3. 自社での実例
わたしたちは、自社のLINE公式アカウントの応答メッセージを、AIと一緒に一から書き直しました。使い方の案内文からAI活用の相談導線まで、複数の応答文をAIに下書きさせ、人が言い回しを確認・修正しながら本番で運用に乗せました。実際にやってみて分かったのは、AIに一度で完成形を出させようとするのではなく、下書き→人の確認→書き直しを何度か繰り返す前提で進めた方が、結果的に早く仕上がるということでした。タップ率などの効果測定は今後の課題として残っていますが、AIに文面の下書きを任せ、人が最終判断する、という役割分担そのものは実際に機能しています。
Q4. 導入までの一般的な流れ
制度を使う・使わないに関わらず、LINE公式アカウントにAI応対を組み込む場合の大まかな流れは、次のとおりです。
- 現状の応答メッセージ・よくある問い合わせを棚卸しする
- AIにどこまで任せるか(下書き作成のみか、会話形式の自動応対まで含めるか)を決める
- 制度を使う場合は、対象になり得る制度の要件を確認し、交付決定前の発注をしないよう手順を確認する
- 文面・仕組みを構築し、人が最終確認したうえで本番運用に乗せる
Q5. よくある誤解
「AIを使えば必ず制度の対象になる」というわけではありません。汎用のLINE公式アカウント機能をそのまま使うだけの場合、対象になりにくいことがあります。制度の対象可否は、自社の業務に合わせた作り込みの有無や、費用の内訳によって個別に判断が分かれる部分が大きいため、この記事だけで自社が対象になるかを判断せず、専門家への相談をおすすめします。
まとめ
LINE公式アカウントのAI応対そのものに使える単独の制度はありませんが、導入する仕組みの中身次第では、デジタル化・AI導入補助金や省力化投資補助金の対象になり得ます。まずは自社が「汎用ツールをそのまま使うのか」「自社向けに作り込むのか」を整理するところから始めるのがおすすめです。
